Wi-Fi6とは?利用するメリットや5Gとの違いを解説


更新日:2023/03/27

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Wi-Fi6とは?利用するメリットや5Gとの違いを解説

Wi-Fi6とは?利用するメリットや5Gとの違いを解説

Wi-Fi6とは、2019年9月に発表されたWi-Fi規格のことです。Wi-Fi6を利用すると安定した高速通信が可能になりますが、Wi-Fi6の導入を検討している方のなかにはWi-Fi6の特徴について理解できていない人も多いのではないでしょうか?

そこで本記事では、Wi-Fi6の特徴や利用するメリット、5Gとの違いをご紹介します。快適なインターネット環境を構築したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

Wi-Fi6とは?

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まずはWi-Fi6の特徴や採用された新技術など、Wi-Fi6に関する基礎知識をご紹介します。これまでに登場したWi-Fi規格についても表にまとめて紹介しているので、それぞれ見ていきましょう。

Wi-Fi6とは

Wi-Fi6とは、第6世代のWi-Fi規格を指します。「IEEE 802.11ax」と表記されることもあり、2019年9月に提供が開始されました。

Wi-Fiは2023年3月までに計7つの規格が登場しています。それぞれの最大通信速度や呼称は、以下の通りです。

世代 規格名 周波数 最大通信速度 呼称
第1世代 IEEE 802.11 2.4GHz帯 2Mbps
第2世代 IEEE 802.11a 5GHz帯 54Mbps
IEEE 802.11b 2.4GHz帯 11Mbps
第3世代 IEEE 802.11g 2.4GHz帯 54Mbps
第4世代 IEEE 802.11n 2.4GHz帯/
5GHz帯
660Mbps Wi-Fi 4
第5世代 IEEE 802.11ac 5GHz帯 6.9Gbps Wi-Fi 5
第6世代 IEEE 802.11ax 2.4GHz帯/
5GHz帯
9.6Gbps Wi-Fi 6
2.4GHz帯/
5GHz帯/
6GHz帯
Wi-Fi 6E
第7世代 IEEE 802.11be 2.4GHz帯/
5GHz帯/
6GHz帯
46Gbps Wi-Fi 7

上記のとおり規格が新しくなるたびに最大通信速度が向上していることが分かります。最新のものはWi-Fi7ですが(2024年春頃~標準化予定)、2023年3月現在本格的に普及している中で最速のものはWi-Fi6であるといえるでしょう。

Wi-Fi6の特徴

Wi-Fi6の特徴は、最大通信速度が9.6Gbpsと高速であることです。Wi-Fi5の最大通信速度と比較すると、Wi-Fi6は約1.4倍の高速通信を誇ります。

Wi-Fi6に採用された技術

Wi-Fi6は電波を効率よく活用することのできる「OFDMA」という技術を採用しています。一つの周波数帯を細かく分割した帯域がそれぞれの端末の通信量に応じて割り当てられるので、端末が多数繋げられている状況であっても無駄のない通信を行うことができます。

また、通信環境が混雑していても効率良く通信を行える「Spatial
Reuse」のほか、通信を行わない時は端末側の通信機能をスリープ状態にする「TWT」という技術を採用しています。こうした新技術によって、Wi-Fi6はこれまでのWi-Fiにはない省エネを実現しました。

Wi-Fi6を利用するメリット4つ

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ここからは、Wi-Fi6を利用する主なメリットを4つご紹介します。具体的な利用シーンの例も挙げているので、ぜひ参考にしてみてください。

1. 安定した高速通信が可能

Wi-Fi6を利用するメリットは、高速かつ安定した通信が可能になることです。オンラインゲーム中に画面がカクカクしたり、動画視聴中に映像が止まったりするなど、インターネット通信によくある悩みを解消できます。

2. 通信が混雑しにくい

Wi-Fi6を利用するメリットとして、複数の端末が接続している時の混雑に強いことも挙げられます。Wi-Fi6に採用された新しい技術によって、複数の端末を同時接続しても順番待ちの時間が発生せず、快適な通信環境を実現できるようになりました。

そのためIoT機器やスマート家電を導入し、自宅をスマートホーム化したいと考えている方は、Wi-Fi6を利用することで、ストレスのない通信を行えるようになります。

3. 消費電力を抑えられる

Wi-Fi6には、通信を行わない時は端末側をスリープモードにする「TWT」という技術が採用されています。この技術によって、端末ごとに起動タイミングをコントロールできるようになり、端末の省エネ化を実現できるようになりました。

4. セキュリティー面が強化される

Wi-Fi6はセキュリティー面が強化されており、通信の盗聴や改ざんをはじめとする攻撃への防護性が格段に向上しています。

Wi-Fi6に組み込まれているのは、WPA3というセキュリティー規格です。WPA3は大きく2種類に分けられ、個人向けの「WPA3-Personal」と、企業向けの「WPA3-Enterprise」があります。WPA3-Personal
は、ユーザー指定のパスワードが簡単なものであっても、強固なセキュリティーが担保されているのが特徴です。またWPA3-Enterpriseは、アメリカの国家安全保障局(NSA)で採用されるほど強固な暗号化アルゴリズムです。

Wi-Fi6を利用するデメリットや注意点

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Wi-Fi6は比較的新しい規格であるため、導入費用が高額になる場合もあります。

Wi-Fi6は大容量通信が必要なオンラインゲームやオンライン会議、4Kなどの高画質視聴を行う方にはおすすめですが、ネットサーフィンやメッセージ送信程度であればWi-Fi4やWi-Fi5などでも十分に快適です。使い方や接続端末台数を考慮したうえで最適な規格を確認し、自身やご家庭に合うWi-Fi規格の導入を検討してみましょう。

Wi-Fi6と比べられる5Gとは?

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Wi-Fi6について調べている方のなかには、5Gとの違いが気になっている方も多いのではないでしょうか?

ここからはWi-Fi6と比較されがちな5Gの特徴や、Wi-Fi6との違いをご紹介します。

5Gの特徴

5Gとは、2020年にサービスが開始された第5世代移動通信システムのことです。現在主流となっている4Gに代わる通信システムで、Wi-Fi6と同じく高速大容量通信を実現できます。

また、5Gは4Gに比べて通信の遅延が起こりにくいうえに、4Gの約40倍もの機器の同時接続が可能です。

Wi-Fi6と5Gの違い

Wi-Fi6と5Gは通信速度の理論値が近いため、高速での通信が可能な点では共通しています。しかし、Wi-Fi6と5Gは使用するシーンが異なります。Wi-Fi6は固定回線にルーターを繋げて利用するため、自宅やオフィスなどルーターの電波の届く範囲が限定されている屋内での使用となるのに対し、基地局から広範囲にサービスが提供されている5Gは、電波の届く範囲であればどこでも利用することができます。

光回線と組み合わせて利用するのが一般的なWi-Fi6は、ルーターまでは有線であるため安定した通信が可能ですが、ルーターの置き場所によってはWi-Fiの電波が不安定になることがあるので注意が必要です。また、5Gは持ち歩きができ、手軽に利用できますが、通信の安定性は基地局との距離や障害物の有無などの環境に左右されるため、速度が遅く感じることがあります。

このようにWi-Fi6と5Gにはそれぞれメリット・デメリットがあり、併用することで弱点を補い合うことが可能です。今後Wi-Fi6と5Gが共存することで、より快適なインターネット環境を実現できると期待されています。

光回線と5Gの違いや、おすすめの使い方については以下の記事で詳しく紹介しています。

Wi-Fi6を利用する方法

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ここまでWi-Fi6の特徴や利用するメリットを紹介してきましたが、Wi-Fi6を利用するためには何が必要で、どういったポイントを押さえれば良いのでしょうか。

Wi-Fi6を利用する方法や用意するべき機器についてご紹介します。

Wi-Fi6に対応したデバイスと機器を用意する

Wi-Fi6を利用するには、Wi-Fi6に対応したデバイス・機器・ルーターを用意する必要があります。どれかひとつでもWi-Fi6に対応していなければ利用することができないので注意が必要です。

Wi-Fi6に対応しているかどうかは、それぞれの製品に記載されている対応無線LAN規格で確認できます。Wi-Fi6対応の製品には、「Wi-Fi6」「Wi-Fi CERTIFIED
6」「11ax」などの記載があり、スマートフォンの場合はWi-Fi6に接続した時にWi-Fiマークの横に数字の6が表示されます。

なお、Wi-Fi6に対応している製品は2019年以降に発売されたモデルに限られます。ちなみに、iOSならiPhone11シリーズやiPhone SE(第2世代)といったiPhone11以降のモデル、Android端末ならGalaxy
20 5G、AQUOS R5GなどがWi-Fi6に対応しています。それ以前のモデルはWi-Fi6に対応していないため、あらかじめ確認しておきましょう。

おすすめはメッシュWi-Fiルーター

Wi-Fi6というだけでも通信速度に期待できますが、さらに電波が届く範囲を拡大してストレスなくWi-Fiを利用したいなら「メッシュWi-Fiルーター」がおすすめです。

メッシュWi-Fiを設置すると、親と子の関係にあるルーターが連携して電波の範囲を拡大するため、一軒家などで電波の届きにくい部屋でも安定してWi-Fiを利用することができます。

メッシュWi-Fiルーターについて詳しくは、こちらのページをご覧ください。

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